緒方恵美さんの私塾TBAラボの朗読劇「銀河旋律 -The Stardust Melody-」に参加するため、平日の昼から代官山のライブハウス「晴れたら空に豆にまいて」に向かう。
予定を工面するのが面倒で、数日前までジャーも視野だったものの、前日になるとなんか行けそうだったので昼からダッシュで向かう。こんなときのためにもっと普段から体を追い込んでおけば良かった。
なんとか開場に間に合い待機列にならぶ。うお〜すでに客層がいつもと全然違う。お姉様方が多くていらっしゃる。緒方さん目当てなのかしら。自分の目当ては朝日奈丸佳さんです。
この日の演目、「銀河旋律 -The Stardust Melody-」はさまざまなところでさまざまな人々によって演じられてきた、いわゆる名作らしかった。原作の演劇集団キャラメルボックスの名前だけかろうじて知ってるくらいで、ほぼほぼミリしらだったので、世の中は知らない世界ばかりだ、と今日もまた感じる。
物語はタイムマシンが実用化された世界で、愛する女と結婚するために過去を改変する男と、そんな横恋慕野郎に過去を改変され愛する女との仲を引き下がれながらも、愛する女と再び出会うために奮闘する男の異性愛家族制度物語。
もともとは舞台作品だったらしく、台本を手に発声を行う朗読劇でありながら、さながら小劇場演劇のようにステージを駆け回り、コミカルでテンポの良い掛け合いが繰り広げられていた。アコースティックギターの生演奏と、緒方さんの歌声が物語を彩る、楽しく暖かい朗読劇だった。生のお芝居っていいな〜。
まあ素直に楽しかったと感じたのだけど、同時にこれレズで見たい!と久しぶりに感じた。異性愛作品でもなんでもレーズレズレズ!レズで見たいレズ!!と感じるわけじゃないのでどうしてだろうと考える。個人的には作中で結婚というワードが頻出して、キーカードのように扱われているからだろうか。今だったらこの展開は別物になっていそうで、作品の時代性を感じる。女女なら現代設定なら家族制度とは関係ないし、家族制度と関係ある世界設定でもそれはそれでヨシ!と思えるので無敵だとおもう。結局女女が見たいだけ。
横恋慕マンが愛しのはるか氏との縁をタイムトラベルにより挟み込み、結婚寸前までその仲が進展した状態で、主人公が愛する女の子と縁をまた結ぶには、二人に起こったことを全て説明する必要はなく、主人公がただ想いを伝えるだけで良かった、というのがストレートで良かった。二人はお互いに運命的な存在で、でもそんな運命的な相手も出会えなかったらどうしようもないし、運命なんてそんなもんなんかもね、というスタンスが結構好みかも。
緒方恵美さんを拝見したのはディノス札幌での劇場版P3舞台挨拶ぶりで、生の演技に触れたのは初めてだ。さすがに凄すぎだった。本当にすごい。丁寧に心を揺れ動かすような細やかな演技も感情を爆発させるような演技も、小さな声から大きな声(めちゃくちゃ大きな声)までしっかりと感情の表現された言葉として伝わってきた気がして、はえーすごーだった。すごすぎ。
この日はマチソワ二公演あり、主人公の柿本役と横恋慕野郎のサルノリ役の配役がチェンジされる。
緒方さんは昼公演で横恋慕マンを演じていた。その怪しさに満ちた演技が強すぎる。昼公演では緒方さんは女子高生役も演じられていて、当たり前に可愛らしくて良かったのだけど、サルノリの怪しい演技が強すぎた。この役ハマり役だなあ…って思わずにいられない。
ソワレ。緒方さんが主役の柿本を演じる。過去を改変され想い人との縁を断ち切られた男の、追い詰められた演技が強すぎる。とりわけ慟哭の演技がもうものすごい。昼もハマり役と思ったのに、夜は夜でその役がとてつもなくハマり役に思えた。
緒方さんは最後の挨拶で、「死ぬのが明日突然死ぬのか10年後なのかわからないが、そのときまで作品や演技で楽しんでもらえるようにしたい」と述べられていて、こんな人に客席のお姉様方はついてきたんだな〜としみじみしたのも良かった。一人の演者を末長く応援できるのは幸せやろなあ。
朝日奈さんはとてもかわいい女子高校生役を演じられていたのがとっても良かった。声が明るく高くてきゃいきゃいしてる。ずっときゃわいいだけではなく、その回の演者に寄せたサルマエの真似など、コミカルに幅が広い演技を見れて嬉しい。こういったとにかく可愛らしい演技を生で浴びたのははじめてで、とてもうれし〜。
最後に歌をうたう一幕があり、演者一人ひとりのソロパートの歌い出しが朝日奈さんに任されていた。多分、クローゼットミュージックで聴けた朝日奈さん本人の歌声で。とても柔らかで可愛らしい、耳からしあわせにしてくれるものだった。
残りの演者さんももちろん素晴らしかったのだけれど、その中でもサブキャラのお天気レポーターを演じられていた村田みのりさんの声が好きだった。最後の挨拶も楽しませてくれた人。またどこかで、あるいは作品で、お目に掛かれたらいな。
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