会場のアイマショウって何?なんて思っていたのだが、入場すると客席には傾斜があり、椅子はパイプでなく座り心地が良く、座席のスペースにもゆとりがある。ちゃんとしたホールだ。
SF空想科学朗読劇『宇宙戦争』。怪人二十面相や少年探偵団と同じ座組で、あけましておめでとう現場としては非常にありがたいもので嬉しさたっぷり期待たっぷりの参加。実際とても上質な朗読劇だったのでうれしい!!
化人幻戯に引き続き、劇伴やSEをその場の展開に合わせて生演奏で届ける音楽朗読劇のシリーズ。今回の宇宙戦争ではさらにその役割が強化され、まるで音響が5人目の演者のように感じられたことに強い衝撃をうけた。
侵略してくる火星人の蠢く音やわななく鳴き声、火星人の送り込む機械兵器の発する光線の音を生の音が吹き込まれ、明確に音響によって生物が映し出されて。臨場感と没入感を極限まで高めていた。すごい体験ができてうれしい。
放送中の花修羅アニメの朗読パートでは、めちゃくちゃ豪勢な演出が施された映像が出力されているけど、実際に朗読劇をみていると本当にそんな感じの情景が脳裏に広がるので、花修羅と同じ時期に朗読劇見れるのは嬉しいことに感じる。
今回もというべきか宇宙戦争の原作を読んだことはなかったのだけれど、普通にぐんぐんと物語に引き込まれて手に汗握ることができた。普通にホラーじみててこわいよ~!
土屋さんの演技もほんと~に良くて、物語冒頭で海外(舞台のイギリス?)のニュース番組のくだりがあったのだけれど、そこでのアナウンサーの演技が素晴らしくて喜んじゃった。吹き替えっぽいニュアンスとアナウンサーっぽいニュアンスがちゃんと含まれていた気がする。
同時に土屋さんはナレーション志望だったことを思い出す。もしもそちらの道に進んでいたら、いまの土屋さんの姿は見られなかったのかなあと思うと、巡り合わせに感謝にございます。
メインの役どころである主人公の妻の演技もとても良い!すこしくたびれた、影を感じさせる演技なのだけど、ただただ暗いトーンの演技というわけでないのがとにかくいい。相手への湧き上がる暗い感情を抑えながら、それでも相手のことを想っている、そんな様子が声から伝わってくる。
この役柄の演技で一番刺さったのは、宇宙戦争を生き延びた旦那と物語の最後で再開したときの演技。前述したようなずっと抑えたトーンの演技を積み重ねに積み重ねて、最後の最後に想いが思わず溢れ出したような、そんな声をしていたのが本当に胸に響いた。良かった……。
こういった男性声優3人女性声優1人みたいな座組だと女性声優がすべての女性モブを演じてくれるので非常に嬉しい。今回の朗読劇でもふくよかな女性(見えてないけどふくよかに感じる)とか活発なショタ(見えてないけどやかましい動きが伝わってくる)とか色々演じていたし、大事な役どころだと主人公の弟の医学生の青年(真面目さがびしびしと伝わってくる)も任されていた。声の表現の違いでそれぞれのキャラクターの人となりが伝わってくるのが嬉しい。声優さんはすごい。
やっぱり朗読劇は周り野郎いっぱいの方がお目当ての演技をいっぱい味わえて嬉しいですね。
土屋さんはやっぱり声質だけじゃなく、演技としての少年役のうまさみたいなのがある気がしていて、どこにそう感じているのかわからないので答えを探しにいきたい。