土屋李央さんのお芝居を目当てに、オペラ座の怪人朗読劇に。中学の音楽の授業でミュージカルのオペラ座の怪人らしい歌を歌ったか聞いたかしたことしか人生で関わりがない。ミリ知らもミリ知らだ。
あらすじ
19世紀パリ、オペラ座では謎の怪人の仕業とされる奇怪な事件が続発していた。怪人は誰もが目を背けずにはいられないほどの醜い容貌を仮面の下に隠しているといわれている。天才的な歌唱力と芸術への愛を持つ怪人は、才能に恵まれながらもトップスターになれずにいる美しく若きオペラ歌手クリスティーヌを見染める。
クリスティーヌは怪人を「音楽の天使」と信じてレッスンを受け、プリマドンナへと成長するが、ある日、仮面の下に隠された怪人の秘密を知る。彼女の幼馴染でもあるオペラ座のパトロンの一人20歳の青年貴族ラウルに愛されながらも怪人の情熱に心惹かれるクリスティーヌ・・・。
花の都パリに燦然と輝く世界に誇る文化の殿堂、オペラ座、ガルニエ宮を舞台に物語は、謎めいて展開してゆきます。
(引用:https://enbutown.com/joho/2026/04/21/rodokugeki-phantom-2/)
感想
→事前の想像:オペラ座の怪人が超常的存在で、人とその幻みたいな存在の間で揺れ動く感じなのかな…
→実際:怪人、めちゃくちゃ人間だった。人と、人の話なんだ…
おもろかった。本当にオペラ座に取り憑いた守護霊というか、座敷童というか。なるほど、怪人なんだ。おもろ〜。
土屋さんのお芝居も含めての感想。
本筋のお話は、クリスティーヌ、怪人氏、ラウルの三人の間のロマンス…のような(初見だとそう見える)心の揺れ動き。
クリスティーヌ氏がラウルと怪人との間で心の天秤が揺れている感じに見えていた。そして、ラウル側のおもりには愛がのってる。幼き頃の思い出…運命に感じてしまいそうな愛が確かにありそうだった。
対して、怪人側のお守りには何が載ってたんだろう?という感じ。”かわいそうなエリック”恐怖・同情・憐憫…。怪人の求めている”普通”の愛では、なかったような気がしてしまう。
もちろん、途中までは、三角関係的な色恋のやつかしら?とか眺めていたのだけど、話が進むにつれて、クリスティーヌはまっすぐにずっとラウルを想っていたように感じる。そもそも怪人が存在を明らかにしたのも初めてのプリマの後っぽかったし。それでも怪人の存在にクリスティーヌ大きく心を乱されているのは伝わってきていた。
土屋さんのお芝居も、そういったクリスティーヌの心のゆらぎが滲み出ているような、ゆらゆらとゆらぎをもったお声の演技を(心が揺れているシーンでは)常にされているように感じた。とはいえ、その声の持つ揺らぎは、大きな揺らぎではなく、抑制された(でも確かに感じる)揺らぎだったのだけど。
その土屋さんの演じるお声の波長に合わせて、観客の自分も気持ちがゆらゆらはらはらするような、そんな感じ。それがなんだか心地よかった。
お話の途中。一瞬でてきたラウルとの過去の思い出のシーン。幼いクリスティーヌのお声にはゆらぎはなく、すっごい晴れやかだった。おかげで、今のクリスティーヌの声がずっと曇りがちに感じられて、おいたわしさを感じてしまう。
あの快晴みたいな明るい声(と普段の曇りの日くらいの暗さを感じる声)を思うと、たしかにラウルのことをクリスティーヌは想い続けるのかも、という説得力がある。
そういったお芝居を積み重ねた果て、たどりついたクライマックスでクリスティーヌは「かわいそうなエリック」という言葉を呟く。ゆらぎのない真っ直ぐなトーンで、冷えたトーンで呟く。とても良かった。感動。
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