この日はチケットを忘れて新宿バルト9で行われるアイカツプリパラ劇場版の舞台挨拶へ入れず。朗読劇の会場である紀伊國屋ホール(紀伊國屋サザンシアターじゃないよ!)にさっさと移動することに。紀伊國屋ホールで開催される『三島由紀夫レター教室』の朗読劇に土屋さんが出演されるので。
そうして紀伊國屋の店内を突き進んでいると紀伊國屋限定ミッフィーちゃんを見かけたので思わずお買い上げしてしまった。店員さんな装いをしているミッフィーちゃん、かわいい。
あらすじ↓
英語塾を営む未亡人の氷ママ子。そのボーイフレンドの山トビ夫は服飾デザイナー。ママ子の英語塾の生徒で商社のOL空ミツ子。芝居の演出を勉強する炎タケル。ミツ子の従兄で留年生の丸トラ一。
五人はいろんなことを手紙で交わし合います。トビ夫がミツ子に肉体的な愛を申し込んだり、カラー放送を見たくてしょうがないトラ一はママ子にテレビを買う借金をお願いしたり。あるときトビ夫は、ミツ子がタケルに手紙で求婚されたと知って大フンガイ、二人の仲をどうにか裂こうとママ子をスパイに誘う手紙を出すのですが・・・。
それぞれの想いは手紙を通してもつれてこんがらがって大変なことに。(引用↓)
軽やかさと知的さと、上品さと下品さを兼ね備えながら爽やかな終わりを迎えさせてくれるとても面白い朗読劇だった。三島の作品は美しい星しか読んだことがなかったし、どちらかというと東大全共闘の映画の方が印象強いまであった。こういう作品も出せる人なんだ、文豪ってすごいや。
”VISIONARY READING”という名前が冠された朗読劇シリーズなのだけれど、その名の通り、ステージ上のセットは作品世界の空気感を醸しだし、スクリーンの演出も含めて多角的に世界観に没入させようとしていた。なるほどおもしろい。
この朗読劇には自分の本当の気持ちがわかってる人、わかってない人。伝えたいことがわかってる人、わかってない人。そんないろいろな人が出てくる。
人それぞれに手紙を書いた結果、自分の伝えたいことをうまくかけていなかったりする。しかし、伝わらないように書いていても、受け取った側が寄り添って気持ちをくみ取ったり、あるいは突き放して気持ちを受け取らなかったりする。そんな光景が自分にとってはそれぞれの愛だな~と感じられて、素敵なコミュニケーションに思える。幸せな朗読劇だった。
作中で悪人として描かれている二人が最終的にはいい感じの仲におちついて丸く長まったことがなんだか面白くて、散々迷惑かけたおした二人だったのにまあこの二人がお互い向き合ってくれてたら周りの被害も少なくなって世界はちょっと平和なのかも、とか思えた。割れ鍋に綴じ蓋。
朗読劇のオチの部分で「自分はこれで幸せ。他人の幸せなんてわかるわけがない」と作中のある人物が独りごちるシーンがあるのだけれど、彼の生き様からこの言葉が繰り出されるのが大好きで、大好きな気持ちで終わりを迎えることができた。いや、思ったよりこの朗読劇好きかも?
土屋さんの演じる気高さのある人、強い人が大好きで、今回土屋さんの担当された空ミツ子さんもとても強かでかわいらしさのある、芯の強い人だった。ありがたい。
空ミツ子さんは朗読劇が始まってすぐ、アホみたいにド直球なセクハララブレターに見舞われることになる。男性声優さんがそのくだりを読み上げていたのだが、あまりにもすごい内容で、声優さんってあんな文面読まなければいけないのかと思うべきか、あるいは普通に生きていたら絶対に口にしない言葉をお仕事で口にできると思うべきかなどという議論に脳がしばらく支配され、若干お話に身が入らなかった。
この手紙にまつわるシーンの最後で、遠くの未来で安穏に伴侶と生きるミツ子氏の様子が描かれる。そこで件のセクハララブレターを改めて見返しながら「昔に思いを馳せるなら、写真そのものよりも、他人からの自分への言及がよっぽどリアリティがある」などと言及する空ミツ子さんしたたかさ、芯の強さの描き方がとても鮮やかで、先の展開が楽しみになったことを覚えている。
そんなこんなで魅力的な人間な空さんは様々なことに見舞われながら前に進むことになり、最終的に思い人に「バカバカバカバカ結婚しろ」などと叫ぶことになるのだけど、その叫びで私の心は乙女になってしまった。はわ~。
帰りに紀伊國屋の地下にある文具店でレターセット売り場を見つけてしまう。楽しくなってあれこれ買ってしまった。昭和のころもこうしてレターセットを買っていたのかしら。少し気になる。
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